わかんないよ。

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「いいけど」 ヤマ兄はあっさりそう言った。 「えっ?ヤマ兄?2人の勉強見ながらなんて無理でしょ?」 「あーちゃん!なんでそんなこと言うの?助けてよ!」 「だって、ヤマ兄だって勉強しなくちゃならないのじゃ!」 「あーちゃんだけ、赤点逃れようとしてずるい!」 「んなこと思ってない!」 「いいから、入れば」 ヤマ兄がそう言うから、何も言えなくなってしまった。 キョウの馬鹿。 呪ってやる! これじゃ、リビングに居る時と変わらないじゃないか。 がっかりして不貞腐れるのをどうにか堪えた。 バレるわけにはいかない。 その日だけだと思ってたから。
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