2969人が本棚に入れています
本棚に追加
先生の目を盗んでトイレに向かう途中だった。
渡り廊下でヤマ兄に声をかけられたのは。
「すごい顔」
開口一番、あたしの黒塗り顔を見て真顔で呟いた。
「マイケルアサカですが、何か?」
「ひとりで阿波踊りみたいなの踊ってたな」
「放っておいて下され」
「なんかあった?」
腰を折ってあたしを見るから目線が近くてドキッとしてしまう。
思わずそっぽを向いてしまった。
「何がじゃ?」
「機嫌悪いから」
「……気付いてるならもっと察してよ」
「んっ?」
「あたしが機嫌悪いって気付いてるなら、どうにかしたいとか思ってよ?」
そう言ったあと、後悔した。何言ってるんだろうって。
最初のコメントを投稿しよう!