自分のことばっか。

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先生の目を盗んでトイレに向かう途中だった。 渡り廊下でヤマ兄に声をかけられたのは。 「すごい顔」 開口一番、あたしの黒塗り顔を見て真顔で呟いた。 「マイケルアサカですが、何か?」 「ひとりで阿波踊りみたいなの踊ってたな」 「放っておいて下され」 「なんかあった?」 腰を折ってあたしを見るから目線が近くてドキッとしてしまう。 思わずそっぽを向いてしまった。 「何がじゃ?」 「機嫌悪いから」 「……気付いてるならもっと察してよ」 「んっ?」 「あたしが機嫌悪いって気付いてるなら、どうにかしたいとか思ってよ?」 そう言ったあと、後悔した。何言ってるんだろうって。
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