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「ヤマ兄……。まだ話途中だよ?」
「写真撮るくらいいいだろ?」
「よくない」
他の女子となんか撮ってほしくない。
「アサ?」
「よくない。あたしと話してよ?」
「……」
「……なんかヤマト先輩、困ってるよ?」
デジカメを持った女子が冷静になれと言う様に話し掛けてくる。
「あなたには関係ないです」
そう言いながらも、あたしの好きな人と写真を撮らないでなんてこの子には言えない。
それがまた不安をより大きくさせる。
「もう、いい」
そう言うのがやっとだった。
だけど、立ち去ろうとしたあたしの腕を掴んで止めた。
「何が?」
「ヤマ兄なんか、もういい。嫌い」
無理矢理、その腕を離す。
顔なんか見たくなくて、ただ走った。
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