わかってもらいたいんだ。

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「キョウ……。保健の先生って中にいるの?」 あたしに背を向けた彼のブレザーの裾を引っ張るとキョウが止まった。 「えっ?」 「2人でいたの?ここに?」 少し視線は空を見る。 それから何かを掴んだみたいに、おもむろに口を開いた。 「知りたいの?」 「……うん」 「2人でいたよ」 「へっ?」 「2人でいた」 「か、鍵かけて?」 あたしの頭の中に浮かんでしまったのは、 先生とキョウの甘い時間。 まさか、学校で。 いや、ていうかキョウが。 えっ……。 頭の中が想像したくないって言ってるみたいだ。 だから、やっぱりそれは違うって言葉に変えてみた。
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