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「何が?」
「羨ましい」
呟く。
虚ろな目を足元に向けながら弱々しい口元を結んだ。
それから小さな声がした。
「そんなメイクしたって可愛いもんね。なんか動物みたいで」
「はっ?」
顔面黒塗りなあたしに対する嫌みか。
「だからかなぁ。ヤマトがアサカを可愛がるの」
「可愛がる?」
「本当、頭にくる。アサカなんか消えてしまえって何度も思った」」
「消えてはひどいよ……」
「アサカのほうが、ひどいよ。妹のくせに……。妹のくせに……」
「そうだよ。妹だよ。だからなに?」
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