変わりたいものは変わる。

9/23
前へ
/522ページ
次へ
「何が?」 「羨ましい」 呟く。 虚ろな目を足元に向けながら弱々しい口元を結んだ。 それから小さな声がした。 「そんなメイクしたって可愛いもんね。なんか動物みたいで」 「はっ?」 顔面黒塗りなあたしに対する嫌みか。 「だからかなぁ。ヤマトがアサカを可愛がるの」 「可愛がる?」 「本当、頭にくる。アサカなんか消えてしまえって何度も思った」」 「消えてはひどいよ……」 「アサカのほうが、ひどいよ。妹のくせに……。妹のくせに……」 「そうだよ。妹だよ。だからなに?」
/522ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2969人が本棚に入れています
本棚に追加