2969人が本棚に入れています
本棚に追加
「妹だってわかってるよ?でも、妹より好かれてないなんて思いたくなかったから……。なのに、ずっとずっとそんな気持ちがどこかに残ってて。思い出すたび、惨めだった」
「そんなこと、思う必要ないのに」
あたしは、ルリカがずっと羨ましかったのだから。
「アサカ、訊いてくれる?」
「えっ?」
「今から言うこと、嘘だと思うから。信じてくれなくていい。ただ訊いて欲しいの」
「……うん」
「前に友達って難しい?って、あたしに訊いたでしょ?あのとき、友達だなんて思ったことないってあたしが言ったこと、憶えてる?」
「憶えてるよ」
そう、と言う。
「あたし、アサカに友達に戻ろうなんて言わない」
だから、と言った。
最初のコメントを投稿しよう!