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「あたし、本当はアサカのこと友達だと思ってた。
……ヤマトの妹と偶然友達になれて、嬉しかったと思ったのは事実だけど。
友達だと思ってた。
一緒にいるのが、本当に楽しかった」
「じゃあ、なんであんなにひどいことあたしに言えたの?あたしは友達にあんなこと出来ないよ?ルリカのこと、わかんないよ」
「……あたし、恋愛が絡むと友情とか、その類の関係、壊しちゃうみたい」
「壊しちゃう?」
「昔からそうなんだ。うん」
「なんかあったの?ルリカ?」
そう訊くと、言ったってわかんないって言うでしょと言った。
それは自分がわかってもらえないと思ってるからでしょ?って、言い返したら、苦笑いした。
「あたし、昔ね。
親友に彼氏盗られたことがあってさ。
そのせいで他の友達まで失くすようなひどい裏切り方されたんだけど。
なんか……それから人が恐いっていうか。
……うん。だからよく嘘つくようになっちゃったんだ。
そしたら、欲しいものや人が簡単に手に入ることがわかってさ。
自分が少し不幸なくらいだと、人って優しくしてくれるから。
だから、人や嘘に変に甘えることに慣れちゃったんだ」
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