どっきりだ。

4/16
前へ
/522ページ
次へ
そういえば、あたし彼氏が欲しいから紹介してと頼んだことあるもんな。 若気の至りとは言え、自分自身を知らなすぎて、無茶をしてしまったものだ。 「はい、決まり」と言うと、自然にサヤコは彼氏の手をとって先を行く。 置いてけぼりになって、後ろにいた2人が話し掛けてくれた。 「アサカちゃんだっけ?」 「へい」 「地元どこなの?」 「ええと……実家は……まあまあ近いであります」 しまった。サヤコがそんなこと言うから緊張してきてしまった。 普通の会話なのに、お腹が痛くなっちゃいそう。 そればっか気にしてあたしは変な顔で歩いてたと思う。 それにも笑顔で付き合ってくれて優しさが痛い。 サヤコ。あたしを助けて……って言えない。
/522ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2969人が本棚に入れています
本棚に追加