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そういえば、あたし彼氏が欲しいから紹介してと頼んだことあるもんな。
若気の至りとは言え、自分自身を知らなすぎて、無茶をしてしまったものだ。
「はい、決まり」と言うと、自然にサヤコは彼氏の手をとって先を行く。
置いてけぼりになって、後ろにいた2人が話し掛けてくれた。
「アサカちゃんだっけ?」
「へい」
「地元どこなの?」
「ええと……実家は……まあまあ近いであります」
しまった。サヤコがそんなこと言うから緊張してきてしまった。
普通の会話なのに、お腹が痛くなっちゃいそう。
そればっか気にしてあたしは変な顔で歩いてたと思う。
それにも笑顔で付き合ってくれて優しさが痛い。
サヤコ。あたしを助けて……って言えない。
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