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「アサカちゃんさえ、よければさ今度遊ぼうよ?」
「へっ?」
「いや、実は中等部の頃からずっと可愛いと思ってたんだけど。
……そのレズって聞いてたから、話しかけらんなかったんだよね」
笑いながらそんなこと言うと、ピィーと笛が鳴った。
次も制服の男子。
見たことないのに、席に着くなり「アサカちゃん、さっき聞こえたんだけど。レズって噂、嘘だったんだ?」なんて早口で言われた。
「そのようですが」
「そうなんだぁ。うわー。まじ損した、3年間」
「はぁ」
何言ってるんだろう、みんな。
人が落ち込んでいるのに。あたしがレズじゃなかったくらいで嬉しそうにして。
意味、わかんない。
早口すぎて聞き取れない。
どうでもいいよ。
早く帰りたい。
お腹痛い。
ヤマ兄のせいだ。
心臓、痛い。
それでも、やっぱり会いたい。
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