どっきりだ。

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グィッとあたしの身体が誰かの腕で後ろに引き寄せられた。 「ごめん、終了」 「へっ?」 「具合悪いから、連れてっていい?」 たぶん司会者の人に言った。 「いや、でも人数が」 歯切れ悪く返答すると、「あそこに外見男だけど女がいるから、それとバトンタッチ」と言った。 あたしの両脇に腕をいれて立たせる。 その手が誰かなんて顔を見なくてもわかったけど。 信じられなかった。 いるはずないのに。 予備校とか言ってたじゃん。 「ちょっと待った!」 最後の告白タイムでもないのにそんな声が聞こえた。
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