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無言だったから、ヤマ兄のスニーカーを見るしかない。
私服で来てるんだ。
渡り廊下で、足を止めたのが分かった。
「サヤコちゃん」
「へっ?ああ、ヤマト先輩?私服だからわからなかった。ど……どうしたんですか?」
「こいつ、男と2人きりとか苦手で。ああいうとこ行くと具合悪くなんだよね」
「へっ?そうなのアサカ?」
サヤコの驚きの声。
それはそうである。
「いや。あたしも最近知ったんだけど。男の人とじっくり話すの苦手みたい。あはは」
なんて薄ら笑いを浮かべてみた。
「なんだ!まじで、ごめん。言ってよ!」
なんて本気で謝られてちょっと罪悪感にかられる。
嘘じゃないけど、言えなかったのはあたしだし。
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