心のカケラ。

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「ヤマ兄?」 「アサの手汗すごいな」 「うっ」 確かに握られた手はじめっとして気持ち悪い。 「休む?保健室でも行く?」 保健室……。 キョウがさっき出て来たことを思い出すと行きたくないと思った。 「大丈夫。驚き過ぎて全てが吹っ飛んだのじゃ」 「具合悪くねーのか?」 「うん。驚き勝ちなのじゃ。ていうか、何でいるの?」 「レンが文化祭遊びに来たから来いって連絡よこしたから」 「じゃあ、レンくんのとこ行くんだ」 結局、そんなことか。またもやお決まりみたいにガッカリした。 実はちょっと嬉しかった。強引にあの場から連れだしてくれたことが。 やきもちみたいで。 でも具合が悪そうに見えたから心配しただけかな。 それか、どっきりされてるあたしを見て可哀そうだと思ったからかな。
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