心のカケラ。

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「ヤ……ヤマ兄の馬鹿」 「何で泣きそうな顔してんの?」 「だって、キスしたくなかったのに」 「俺のこと本気で嫌いか?」 この前言った言葉を思い出したから、思い切りかぶりを振った。 「違う。ぎ……餃子食べたから」 そう言うとプッと吹き出された。 「は……歯磨きしたけどさ。臭い残ってるかもしれないでしょ?な……何で、急にこんなこと……するのじゃ?」 「アサが何処か行っちゃいそうだったから」 「何処にも行かぬよ」 「そう言い切れるか?」と、言われてつい口をつぐんでしまった。 それから、「嘘だ。ただキスしたくなったから」と、言った。
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