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「サヤコ、なんであたしが載ってるの?」
「知るか!」
「えっ…タカ兄とツーショット…ツーショット。ああっ!」
記憶の糸を辿っていくと、ヤマ兄のせいで泣きまくった朝、タカ兄が写メを撮っていったことを思い出した。
こんなことに使う為だったのか?最低!しかも泣いた翌日だから、ブサイク上級者だ。悪用されてる。
絶対、文句言いに行ってやる。このままじゃ、そのうち何処かの国に売り飛ばされてしまう。
「あの大魔神め。成敗致す」
ぷぅっと口を膨らましてしまう。
「でもさぁ。アサカのお母さんって芸能人じゃん?なんかそういうコネで、モデルなんてなれそうなのに。なんでわざわざ読モからスタートしてるんだろうね?」
「…んっ?」
「タカ兄様、モデルが夢なんでしょ?」
「へーっ。えっ?そうなんだ?本格的に目指してるんだ?」
「知らなかったんだ」とサヤコは笑った。
サヤコ曰く、雑誌で語ってるのを読んだと言ってた。
なんとなく大学行って、暇つぶしでやってるのかと思ってたらそうじゃなかった。
なんかみんな目指すのがあるんだな。
「…サヤコって夢ある?」
「夢?あるよ」
「なっ、なに?」
「雑誌の編集の仕事。イケメン特集を組みたい!あたし好みのイケメンにインタビューとかしたい」
キラキラ目を輝かせてる。イケメン好きもここまでくると天命みたい。
「アサカは?」
ニコニコしながら問い掛けるけど。
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