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「ヒント教える?」
「うん」
頷くと、キョウの腕があたしを抱きしめた。
「はっ?」
訳が分からない。それからキョウと鼻の先がくっつきそうな近さで目が合った。
なんとなく恐くなって、「キョウ、離して」と息みたいな声を漏らしてしまう。
俯いてしまうのは、目がいつもより恐かったからだ。
「あーちゃん、キスして」
「ほっぺ?」
「ううん」
「瞼?」
「ヤマトにしてるみたいにして」
また心臓が冷えたと思った。
「なに言ってるのじゃ、キョウ殿?」
思わず顔をあげたあたしにキョウの唇からキスを落とされた。触れ合うくらい軽く。
「やっ…」
両手で肩を押して離した。
「あーちゃん。なんで最近、キスさせてくれないの?」
「ほっぺにチューならしてるじゃん。もう大人になったから口はやめるの」
「なんで?」
「だから、大人になったから」
「ヤマトとはしてるのに?」
またもやドキッとした。
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