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「えっ?」
やっぱりキョウにはバレてたのかな。
不安を顔に出さない様にしようと笑ってみたけどうまく笑えてる気がしなかった。
だけど、どうやら思い過ごしだったみたいで、「タカイチとだって車でキスしてた」と言った。
なんだ、あの頃の話か。ヤマ兄と付き合う前の話。
「だから、最近してないよ?」
「あーちゃん、キスを拒むっていうのは、もしかして彼氏出来たってこと?」
「出来るわけないぞな」
「じゃあ、あーちゃんからキスして」
「へっ?」
なんでそうなるんだ?
「彼氏いないって証明見せてよ」
「なんで?」
「やっぱり彼氏が出来たんだ?」
「出来ないよ」
「あーちゃん。彼氏出来たの隠してるの寂しいよ?」
「えっ…いないのに?」
そう言いながら、ゾクッとした。キョウの目が真剣だから。
ヤマ兄じゃない誰かと付き合ってるって思ってるのかな。
「あーちゃん。男の人苦手でしょ?だから無理してないか心配なんだよ」
「キョウ…」
「あーちゃん。練習する?」
「練習?」
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