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「な……何するのじゃ!」
慌てて、襟を立てた。
「いいから、自分でよく見てみろ」
そっと襟を広げると、そこには赤いキスマーク。
そういえば、この前ハローくんにもつけられたけど。
なんでキョウがあたしにつけるの?
キスマークって恋人同士がつけるんだよね。
「聞いていいか?」
「へっ?」
「……誰にされた?」
「……タコとか?」
そんなこと言っても真に受ける様子もない。
「オラウー。誰にされた?」
「分かんない」
「んな訳ないだろ?」
「あっ。さっき、ちょっとキョウとふざけてたんだけど。それでぶつけたんだと思う」
だけど、その言葉も信じられなかったみたいだ。
「……アサカとキョウは何もないよな?」。
「えっ?何もって?」
「兄妹以上のことしてないよなってこと」
タカ兄はどんな目であたし達を見てるんだ。そんなことあるはずもないのに。
だけど、冗談を言う口ぶりには程遠かった。
「……みんなと変わらないよ?」
「そうか」
そう言いながら、あたしを引き寄せておでこをお腹にくっつけた。
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