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一時間程、車は走る。
コンビニに行きたいとタカ兄が言うから途中で、車を停めて四人で降りた。
タカ兄は外で電話。ヤマ兄はトイレに行ったみたい。
自然と買い出し班は双子ちゃんの使命になる。
小さいカゴをキョウに持たせて、「お菓子、食べたい」とチョコスナックをいれた。
軽い遠足気分にもなってきて楽しいけど。
「ねえ。あーちゃん。今日、覚えてる?」
小さな声でキョウは言う。
「……うん」
話があると言われてたことは覚えている。
「あーちゃん。なんの話か考えてくれてた?」
「考えたんだけど。あのヒントのせいで余計分からなくなったのじゃ」
そう言うと、陳列されたカリカリ梅に伸びてたキョウの手がピタリと止まった。
「あーちゃん。気付かないの?」
「気付く?何が?」
「全然、分かんない?」
「うん。全然分かんない」
「あーちゃん。何か気になったりしない?」
「気になる?」
キョウの顔色が一気にまた曇り始めた。
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