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車が発車する前にヨリ様の姿をもう一度探すと、コンビニの入り口から出て来るのが見えた。
オーラがなんか違うなぁ、なんて握って貰った手から何か御利益がありそうな気がした。
「タカ兄。さっきの背の高い人、知り合い?モデルだよね?」
「んっ?ああ。先輩みたいなもん」
どうやら話によると最近タカ兄の雑誌の読モを卒業して、違う雑誌の専属モデルになった人らしい。
「お前、ヨリが好きなんだ?」
「そうだよ。もしかして、タカ兄は知り合いなの?」
と、ちょっと興奮してしまう。
「知り合いっていうわけじゃないけど。……噂だけは聞くな」
「噂?」
「悪い噂」
「はっ?」
あんなに爽やかな感じなのに?対応も良かったのに?
「まあ。オラウーが関わることはないからいいけど。女に関する噂がひどい」
「タカ兄、それ以上言わないで。ファンでいたいのじゃ」
「ファンねぇ」
「ていうか、女関係ならタカ兄だって負けてないんじゃ?」
そう言うと、シラを切るのか「煙草とって」と話を変えた。
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