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「そっか……」
仏壇にいるお父さん。あたしの記憶にない人。
「親父の職業、モデルだったって」
「あっ……」
だから血筋なのか。
「それを意識してるわけでもないんだけどな。親父の背中を追うみたいになってるのが笑えるな」
手を軽く合掌させ、頭を垂れた。
「タカ兄は、今の話、誰から聞いたの?」
「祖母さんのぼやきと。母さんから直々」
「……へー」
「たぶん俺、なんでも知ってるけど」
そう言うと、あたしに顔を向けた。
その言葉にドキッとした。
「えっ?」
「なんでも知ってる」
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