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「余計なことは言いたくないから何も言わない」
「でも、血の繋がったお兄ちゃんがいるのは本当?」
「……ああ」
「本当にいるんだ?あたしだけじゃないんだ?」
「ああ。お前には兄妹いるよ。つうか、どっちにしろ四人で一緒に育ってきたんだから関係ないだろ。そういうことは」
「……うん」
「あのさ。キョウはさ、アサカが家の子じゃないっていうの知ってるだろ」
「……うぬ」
「アサカと母さんが話してるの聞いたって、俺に言ってきたことがあってさ」
キョウはタカ兄にもヤマ兄にも言ってたんだ。
だけどみんな口に出すことをしなかったんだ。
「ないとは思うんだけどな」
小さく呟いた。
「キョウのアサカに対する態度が異常に思えるんだよな」
「……へっ?」
「この前、ここにつけられただろ?」
自分の鎖骨下を指さした。
「そんなこと妹にするか?」
「う……ん」
未だに解明出来ない謎。
「なんつうか、俺はそういうことがなければいいと思ってる」
「そう……いうこと?」
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