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いつになく生真面目な顔をすると「アサカはさ、キョウのこと兄妹として見てるか?」と、前にも一度聞かれた様なことを口にした。
「そりゃあ。勿論」
「ならさ、あんまりキョウと二人きりになるな。そっとしといてやれ」
「……へっ?」
「キョウにも言っておいた。妹にキスマークつける奴がいるかって」
「……そしたら?」
「キスするのもキスマークも変わらないとかほざいてた。挨拶だってよ。もうやるなって釘刺しといたけどさ」
「……うん」
「俺の心配しすぎかもしれないけどな」
「心配しすぎ?」
「……キョウがアサカのこと好きなんじゃないかってさ思うんだよ」
「そりゃあ、双子ちゃんだし好きに決まっておる」
「……そうじゃなくて。アサカを女として見てるってことだよ」
「はっ?」
「キスマークって独占欲の印みたいなもんだと俺は思う。それを妹につけるとは思えないだろ」
「……」
そう言って立ち上がった。
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