2969人が本棚に入れています
本棚に追加
/522ページ
「なに言ってるのじゃ」と、笑った。
だって、あたしとキョウはお互い双子ちゃんだと思っている。
それに色んな女子と付き合っているキョウが、あたしに今更恋心を抱くなんてちっとも想像つかない。
非現実的だ。
けど、タカ兄はひどく真面目な顔つきのまま。
気づけば、あたしの目の前にいた。
「……お前は誰の物にもなるなよ」
「ぬぬ?」
「誰の物にもなるな」
そう言ってあたしの頭を引き寄せて、胸元にくっつけた。
「タカ……兄?」
ドキドキが聞こえて、すごい変な感じ。
どうしよう。なんか離れないとって、気が焦るのに、動けない。
最初のコメントを投稿しよう!