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単純だと思うけど、少し忙しくなればキョウとは二人きりになる時間が減るから。
あからさまに避けることもなく、自然と距離を保てる方法はないかなって考えてしまってた。
そうやって意識を飛ばしながら歩いていたせいか、思い切り壁にぶつかった。
と、思いきや。見上げたら壁みたいなカマさんだった。
「カマさん」
「アサカちゃん。どうしたの?前見て歩かなきゃ~」
「あっ。いいえ。家庭部について考えてただけで」
「家庭部?」
「いや……こっちのことで」
しどろもどろになるけど。
「もしかして部活でも入る気?」
「とか思って悩んでたんです」
なぜか、カマさんに相談してしまってる。
「あら。いいじゃない。あたしも家庭部だったわよ」とウィンクした。
「……えっ?」
「部長だったの。なんだぁ、アサカちゃんが部にいたらもっと楽しかったのにぃ」
なぜかヒラヒラの白のレースのエプロンをつけたカマさんが浮かんでしまった。
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