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「料理好きなんですね?」
「もうっ。大好き!」と何故か体をくねらせる。
「ほら、ヤマト。最初サッカー部だったでしょ?
クラスが違うから。もう、どうにか近づきたくて。放課後、部活で作ったお菓子とかよく差し入れにいったわぁん。
勿体なくて食べれないって食べてくれなかったけど。
「あぁ、思い出すわ。出会ったばかりのあたし達」
紅潮した頬に手を当てて恥ずかしそうにあたしを見る。
思い切り断られてるじゃん。と、あたしでも二人の距離感を感じてしまった。
ヤマ兄とカマさんが仲良くなった経緯が未だに謎だ。
「……あっ。で、入部したいの?」
「悩んでて。家のこともあるし」
と悩みをまた打ち明けると、どうやら週に2、3回の活動で先生も適当らしく、終わる時間も早いと教えてくれた。
その勢いで、手を引かれ、何故か職員室まで連れていかれた。気が付けば、まさかの仮入部となった。
「ゼンハイソゲヨ」と片言風にカマさんは言った。
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