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行きついた先は、病院だった。
「ここに何があるの?」
やっぱり何も言わないで先を歩いて行くヤマ兄に変わって、あたしは訊いた。
「見舞い」
「見舞い?誰の?」
「赤髪」
「赤髪?えっ。ミフネさん?」
「確か、そんな名前だったな」
「ヤマ兄、そんなに仲良かったの?」
新たな新事実かと、あたしはひとり慌てふためいてた。
なのに、「いや、全然」と返されるから。
「……なんで?」と訊き返してしまった。
「なんか、ずっと腑に落ちなかったことの理由を思い出した」と言った。
「腑に落ちなかったこと?」
「ああ」
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