こんなあたしでいいの?

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それから、ヤマ兄が図書室で勉強してるってカマさんが言った。 帰り際、ドアの隙間から覗いてみようか。ストーカーアサカを決意した。 音を起てない様にゆっくり開けると、奥に座るヤマ兄の背中が見えた。 家の中で見るのと学校で遠くから見るのって、なんか違く見える。 新しいドキドキが胸を襲う。 だけど、隣に座ってる女子の体がヤマ兄に傾くのが見えた。 はっ? 教科書を片手に何か聞いてるみたいだけど。一緒に勉強してるのだろうか? 一緒に勉強? 顔、よく見えないけど。 あっ、なんかヤマ兄もヤマ兄で指さしながらなんか教えてるし。 あの……くっつかないで。 そう思っていると、「何かしら、あの女」怨念たっぷりのカマさんの声が背後でした。 どうやらカマさんとあたしの行動パターンに似ているらしい。少し哀しい気がする。 ガラガラと勢いよく開けると、図書室の静かさなんかシカトしたかの様に「ヤマトー!」と無理矢理甲高い声を出して駆け寄った。
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