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「……へっ?」
「部活入ったってカマから聞いたけど。どうした急に?入りたいとか思ってたのも知らなかったけど」
組んだ足に手を乗せて、ゆったりしたスタイルで聞くけど、顔は少し怒ってる様な真顔。
「……あっ……ああっと。なんとなく」
「なんとなく?」という科白が腑に落ちないのか、訊き返す。
「ヤマ兄頑張ってるし。あたしもなんか頑張ろうかなぁ、なんて思って」
「アサは毎日頑張ってるのに?」
「えっ?」
「だってそうだろ。飯とかほぼ毎日作ってくれてるし。頑張ってるだろ?」
「うん。でも好きでやってることだし。なんか、あたし何もないし……」
「何もなくなんかないだろう。慣れすぎて、当たり前みたいになってるけどさ。毎日うまいの食べれて感謝してる。だから無理すんなよ。頑張んなくていいから」
「頑張んなくていい?」
「ああ。部活やりたいんだったら、家のこと俺もやるし。言ってくれたらもっと協力するから。だから頑張んなくていい」
「でも、受験勉強……」
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