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「やりたいことあるのはお互い様だろ?」
真剣にあたしのことを考えてくれてて、嬉しい反面。
本当の理由は、キョウを避けたかったことと、何か打ち込める物を見つけたかったけど見つからなかったから、なんとなくやろうとしてるなんて言えない。
だけど、あたしのことを考えてくれてるのに全部嘘はつけない。
「ごめん。……違うんだ」
「んっ?」
「あたし、ヤマ兄みたいに目標もやりたいこともなくて。部活もなんとなく……やってみてもいいかな位で仮入部したの。なんか、カマさんと話してたら成り行きというか……すすめられて。いっかな位で。だから、ヤマ兄が気を遣う程じゃないんだ」
「カマに誘われたのか?」
「ちょっと興味ある様な話したら、すすめてくれて。ヤマ兄、あたし……こんなんだけど嫌いにならないでね。大学行っても忘れないでね」
「はっ?」
「行きたい大学も夢もないけどいいかな?なんも考えてないけどいいかな?」
そう言うとフッと吹き出す様に笑った。
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