こんなあたしでいいの?

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「つうかアサを忘れろっていうほうが無理」 「無理?」 「うん。無理」 まだ濡れているあたしの前髪に触れて横に流した。 「余計なこと考えんな」 「じゃあさ……。今日、一緒に勉強してた人は?大学一緒のとこ行くんでしょ?」 「んっ?…あっ……ああ。ただ隣で勉強してただけだけど。話し掛けられたから軽く話しはしたくらいだよ」 「ふうん」 「やきもちか?」 少し意地悪そうに聞くから、「んなわけないのじゃ」と悔しくて舌を出してしまった。 フフフと笑うと、ヤマ兄があたしの肩に手を置いた。 ただ、キスしたいと思った。 でも、鍵かけてないし。どうしよう。 そんなこと考えてるのにキスしたいなんて感情に支配されて目を閉じてしまう。 気配でヤマ兄を感じる。 肩に置かれた指の先が、キャミソールの紐を左にずらして落ちた。
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