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「タカ……兄?」
あたしがそう呼ぶと、はっと表情を変えた。わざと引き締めたような、そんな顔に。
女子の抱きしめる腕に触れ、「離れろ」と呟く。小さな声。
「カレラ」きっと、女子の名前。
「なんでここにいるんだよ?」と、訊いた。
「久しぶりだね。元気だった?」と、カレラさんは、理由を言わないで、微笑んで見せた。
しかめっ面したタカ兄は、それに答えない。
「今日、たまたまね撮影があったの。なんか女子高生の憧れの職業についてインタビューみたいな感じので……出たくなかったんだけどオーナーがね、どうしてもって言うから。顔出しなしでお願いして……」
「……変わんねーな」
「え?」
「後ろめたいことがあると、口数増えるとこ」
そう言われて口をつぐんでから、へへってごまかす様に笑った。
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