二日目 睡眠

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「看守さん看守さん」 「却下」 「早ぇよ毎度毎度」 「今度はなんだ」 「ベッドをどうにかしてくらはい」 「ほらみろ聞かなくてもよかったじゃないか」 「前々から思ってたんだが俺の扱い酷くないか」 「まともに付き合っても疲れるだけだからな。そんなの馬鹿みたいだろ」 「ちょっと待って。じゃあ常日頃付き合ってる俺は馬鹿ってことか」 「お前は物好きなんだろ」 「よし、本格的にグレてやるぞ」 「冗談はさておき」 「冗談に聞こえない」 「なんでいきなりベッドなんだ」 「安眠したいから」 「なんかお前目が煌めいてないか」 「俺はよっきゅ………睡眠欲に忠実なんだ」 「なんで顔赤いんだよ」 「同じ過ちを二回繰り返しそうになったからだ」 「頼むからそれは忘れてくれ」 「なんだ過ちって」 「それはな」 「あーあーはいこの話お終い。それよりベッドだ。俺の寝床だ」 「言っとくが取り替えは無理だぞ」 「何故に」 「お前の取り替えたら全部の部屋の変えなきゃだろ。そんな金無い」 「無いなら作れ」 「んな無茶な」 「国民の金で飯食ってるくせに働けよ公務員という名の税金泥棒が」 「何こいつ。サンドバッグにしていいのストレス発散の道具にしていいの」 「やれるもんならやってみろや」 「喧嘩売ってるよな。おいヒノちゃんと躾ろよ飼い主だろ」 「俺は動物か」 「すまん」 「認めるなよお前も」 「話が逸れたな…他の奴も皆同じなんだからお前だけって訳にはいかないんだ。諦めろ」 「えぇー…」 「まぁ妥当な答えだな」 「駄目、か…」 「………まぁ物置にある道具使って自分で手を加えるのは自由だがな」 「本当か」 「おう」 「よしヒノ、物置行くぞ」 「……………あいつが落ち込んだり喜んだりすると犬に見えて仕方ない」 「同感だ。耳と尻尾が見える」 「ヒノー」 「今行く」
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