二日目 睡眠

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「さぁこの拷問かってくらい固いベッドを快適空間に劇的ビフォーアフターするぞ」 「それはいいがハル」 「なんだヒノ」 「なんだかんだやっぱり詰め物がないと柔らかくならないと思うぞ」 「ふ、まだまだだなヒノ。そんなんだからお前は色々駄目なんだよ」 「そんな駄目な俺が一緒にいたら迷惑だろうよって俺は帰る」 「ちょ、嘘ですすみませんでした帰らないで見捨てないで」 「素直でよろしい。で、なんかいい案でもあるのか」 「よろしいお見せしよう。俺の最終兵器はこれだー!」 「……なんだソレ」 「使いふるされて着られなくなった囚人服」 「それを詰める気でいるのかお前は……」 「ジェイロになんか布くれって言ったらかろうじてこれくれた」 因みにいつもの口が悪い看守はログという。 「それの上で寝るつもりなのかお前は」 「だって他にないんだからしょうがないだろ?」 「諦めるっていう選択肢は」 「ない」 「即答か」 ハルは大きな布の袋に元囚人服を詰める。 「その袋はどうした」 「ログに言われた道具置いてあったとこの隣にあったからかっぱらってきた」 「いいのか勝手に」 「いんじゃね?別になんも入ってなかったし。ログがいいって言ったんだし」 「いいって言ったのは別のとこだろ」 「おんなじようなもんだろ。もしなんかあったら全部ログのせいにするし」 「悪魔より悪魔らしいなお前」 「失礼な。策略家と言え」 「その脳みそを別の方向に使えないからお前は馬鹿なんだってよくわかった」 「流石の俺でもこの話の流れで貶されるって予想はなかったわ」
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