一日目 ご飯

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「不味い」 賑わう食堂。いつもの食事。それに突然不満を溢したのはハル。 「………どうしたいきなり」 向かいに座り、ほぼ行動を共にしているハルの友人と呼べるであろう人物、ヒノが間をあけてから問う。 「飯が不味い」 「なんだそんなことか…いつものことだろ」 刑務所の食事は決して美味しくはない。 「料理しない人が完全目分量で作った料理くらい不味い」 「なんか微妙だなそれ」 自分の目の前に並ぶご飯を凝視するハルを横目にヒノは自分の分を食べ進める。 「俺はもっと美味しいご飯が食べたい」 「一応ここ刑務所だぞ」 「美味しいご飯を食べれば荒んだ心も癒されて自分の罪の重さに気付くだろう。そんな真面目になった囚人達が社会に戻り以前より真剣に働く。更には自分達と同じ過ちを犯しそうな若者などの未来を守れるかもしれない。そして何だかんだで世界平和だ。な?美味しい料理って大事だろ?」 「こじつけ感半端ない上長いわ」 「これなら絶対俺が自分で作った方が旨い」 「因みにハル、料理は?」 「しない」 「駄目だ救いようがない」 「失礼な」 言いながらハルは立ち上がる。 「何でもやってみるが一番だろ。厨房借りてくる」 「爆発オチとかやめろよ」 「んなのリアルであるわけないだろ」 とりあえず許可を貰うために看守の元へ歩き出す。 「………何、お前も行くの?」 「逝くにならないようにな」 「爆発か。爆発オチを期待してるのか」 「期待じゃない。確信からの予防だ」 「ちょww俺の信用皆無wwwwww」 終始真顔な二人。 日常の一コマである。
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