一日目 ご飯

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「あとシチューといえば人参だろ、じゃが芋だろ、あとは玉ねぎ…」 「一応まともなラインナップだな。ゴーヤと水とき片栗粉以外」 「てか誰だよこんなに食材ないのにシチュー作ろうなんて言い出したの」 「お前のちょっと前の記憶掘り起こしてみろ。犯人は一目瞭然だから」 「これなんか別なの作れた気がするよ」 「ちょっと前に気付いてたらゴーヤと水とき片栗粉は犠牲にならなくてすんだのにな」 「だがここで引き返すのは惜しい気がする」 「大丈夫だ引き返せ。そのまま突き進んだってそこにはスライム的なもので構成された有害物質しか生まれないぞ」 「てかさっきからヒノはなんで自分が食べる前提みたいな感じで話してるの」 「食べなくていいのか」 「無理矢理にでもあーんってスプーン捩じ込んでやるよ」 「俺の人生史上最高に嬉しくないあーんだな」 「遠慮すんなよ。俺史上最大のサービスだぞ」 「行為事態じゃなくスプーンに乗ってるものが問題なんだよ」 「なんだ、あーんは嫌じゃないのか」 「嫌いなものは基本人の口に突っ込んでくるやつが今更だな」 「いつもお世話になっております」 「まったくだ」 「で、結局このシチューという名のゴーヤ入り水とき片栗粉はどうしよう」 「ゴーヤの緑が出てきて本格的にスライムだな」 「……………」 「無言でスプーンを近付けてくるな地味に恐いわ」 「大丈夫だって一応全部食べられるやつだし」 「それらが合わさって毒素が形成されてるだろ絶対。なんかこぽこぽいってるぞ」 「話してる間に色々と隠し味を入れてみた」 「目を放した俺が馬鹿だった」 「大丈夫大丈夫。骨は拾ってやるから」 「ちょっと待て。お前が先に食べろよ作ったのお前なんだから」 「えー聞こえなーい。はい、あーん」 「ちょっ、まてむぐっ」 「………どうだ」 「……料理しない人が完全目分量で作った料理くらい不味い」 「結局それかい」
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