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部屋の中に案内してお茶を出して
なかなか誰も話し出さなくて
少し重い空気だった
「あの…廉斗くんのお父さんのお名前…
聞いてなかったですよね」
「そうでしたね、失礼しました
田所と申します会社勤めをしています
今日はありがとうございます」
「手紙…読ませていただきました
田所さんは母さんと別れるんですか?」
廉次の唐突な質問にお母さんは驚いていた
「私はそのつもりはありません!」
「浩二さん…私は…」
「母さん…
この前はちゃんと話を聞かなくてごめん
凛々果から色々と聞いた」
お母さんは私の方を見て複雑な顔をしていた
「余計な事をしてすいません
あのまま、廉次とお母さんが会わないなんて
寂しいから、廉次に全部話しました」
「話を聞いても
許せない気持ちは変わらなかった
けど、田所さんからの手紙で
母さんがひとりで生きる覚悟をしてるって
だから俺に側にいてあげて欲しいって」
「浩二さん…そんな手紙を」
「勝手にすまなかった
僕と廉斗が側に居ても辛いだけなら
彼に頼むしかないと思ったんだ」
「田所さん、はっきり言います
俺に頼まれても困ります」
廉次の言葉は冷たい言葉なんだけど
私はそうじゃない気がした
廉次はお母さんの為に…
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