5人が本棚に入れています
本棚に追加
2.殺意。それは?
菊田 学43歳。
無職。
家族は居ない。
正確には元妻と十歳になる息子がいるにはいたが、息子の二歳の誕生日に妻が息子を連れ
て出て行ってから一度もあっていないと言うのが元妻の証言であった。
何故彼が?それは謎に包まれていた。
恨まれる程に、人間関係をもつ者が居た形跡が皆無であった事が、より、事件の闇を深め
ていた。
何故?何故に菊田が殺されなければならなかったのか?
なんて、数あるニュースの一つにすぎない、関係のない事件の事を考えている暇はない。
この前の射殺事件の犯人自首に納得出来ていない、依頼人から調査続行をと依頼されてい
た。
手がかりは何もなく、無駄に終わる可能性の方が高い事は再三伝えたが、依頼人の意志は
固かった。
「嫌なら断る事もできたんじゃない?」なんて涼子が言うように、受ける義務なんてない
のに受けたのは、自分の中に、この事件への興味が深い事を認めていたに他ならない。
とにかく、殺される前の交友関係を洗う。
それしかない。動機がない・・・訳はないのだから。
だが、今回はその前に、海原さんに自首した犯人についての情報を聞いてからにしようと
考え直す。
真犯
最初のコメントを投稿しよう!