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「会えるかね?海原さん?」
「奴の弁護士はその・・・まあ知り合いでね。なんとかならん事もないがね。」
海原さんはおもむろにメモを取り出すと、一枚ちぎって俺に手渡す。
「お前の感想が聞いてみたいね。会ってみるといい。」
「いつも有難う。じゃあ、お代はここに置いとくよ。」と万札を一枚カウンターに置いて
店を出た。
海原さんは俺に情報を与え、色んな事件の話や、俺の推理を聞くのがお気に入りらしい。
彼は実は大金持ちで、趣味でうどん屋兼情報屋をやっていると言う噂がある。
いつも情報を貰ったらいくらかの礼はするが、海原さんから何かを請求された事は一度も
ない。
「不思議な男だ」と思うが、彼の事情を知ろうなんて気はサラサラない。
あんたもこの街にきたら、他人の過去や素性を知ろうなんて思わないのが身のためだと忠
告しておこう。
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