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角を曲がった先の砂利道は所々で足場が途切れて浸食されている。
わたしは覚束ない足取りで跳躍を繰り返しつつ、足元と岬の穴を交互に確認しながら先へ先へと進んだ。
そうして数分を費やして真正面に穴を捉えられる場所に辿り着いた時には、砂利道は浅瀬となり、
足首まで河の水が浸かるまでの水位となっていた。
わたしは近くにある平らに突き出た岩盤に腰を下ろし、クロッキー帳と画材を入れた
黒と灰色のチェック柄が全面にプリントされたショルダーバッグをその場に置いた。
空模様は本降りのまま、一向に止む気配を見せない。雨宿りが出来る場所も無いのでは、
今日は紙媒体の出る幕は訪れないだろう。晴れた日にはまたこの場所に来ようか。
そして今まで絵や写真に収めてきた数々の景色を、今度は別の角度から見てみようか…
この雨の中、周囲に誰もいない浅瀬の岩盤で、わたしは何だか気持ちが高揚していくのを感じていた。
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