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「ぅ暑ーーーっっっい!!!!」
「のばら、うるさい。騒ぐから余計に熱くなるんだよ?」
「おばあちゃんエアコン買おうよぉーー」
「必要ない。自然の風で充分涼しい」
……確かに周りは山で、都会と比べたらそりゃ涼しいけど。さすがに真夏に扇風機だけっていうのは現代っ子には辛いものがある。
さっきから扇風機の前から動けないのっ!
「それはそうと、のばら。そろそろ学校に行く時間じゃないのかい? そんなにのんびりしてて大丈夫かね」
「えっ!?」
柱時計を見上げるおばあちゃんにつられて時間を確認すると、確かにそんな時間。
「やっばい! 遅れちゃう!!」
いつもの荷物を掴んで慌てて玄関に向かう。
「のばらー。じいちゃん送って行ってやろうか?」
畑仕事から帰って来たおじいちゃんが、縁側に座って声をかける。
「大丈夫ーっ。走ればすぐだから!おじいちゃんは休んでて!」
そうかー?と、のんびりお茶を啜るおじいちゃん。車の運転ものんびりだから、近道すれば走った方がきっと早い。
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