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楽譜をトートバッグに入れてハルに背中を向け、スタスタと歩き出す。 「狼に襲われないように気をつけてな」 背後から笑いを含んだ声。 「自分のこと言ってんの?」 歩きながら振り返って、嫌味ったらしく返す。 「ハハッ!女子コーセーがそうして欲しいならしてやるけど?」 私とは反対方向に歩き出したハル。あの意地悪そうに笑った顔。一枚上手にかわされて更に怒りが増す。 むーかーつーくーっっっ!!!! 顔を進行方向に向き直してドスドスと歩いて行く。 「じゃあまたな、のばらチャン」 「『また』は無いっ!!」 叫ぶと紫陽花の向こうから笑い声が聞こえた。 変な奴!変な奴っ!! 変な…… って、 あれ?
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