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この髪も『深い海の色』って言ったこの瞳も、どっちも本物なんだよ。 面倒ばっかりで、これで得した事なんてひとつも無いけどね。 「のばら。そういえばあんたお母さんにちゃんと連絡入れてるのかい?」 「……入れてるよ」 ドライヤーのスイッチを『COOL』に変えて熱くなった頭を冷やす。 涼しー。 「嘘つくんじゃないよ。こっちに来てからメールしてもろくに返事が返ってこない。ってお母さん嘆いてたよ。ばあちゃん知ってるんだから」 じゃあ、聞かなくてもいいじゃん。 ブーッと口を尖らせる。 「全く仕事クビになったくらいで田舎帰って現実逃避して、ぐうたらしてばっかりだろ。置いてやってるんだから自分家に連絡ぐらいちゃんとしな!」 「クビじゃないもん。辞めてやったんだもん」 「愚痴る暇があるんなら再就職先でも見つけてきな」 「……今、休職中なの」 扇風機とドライヤーで頭を冷やしまくってる私を見て、 はぁー。 と盛大な溜め息ひとつ。
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