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適当はダメか・・・と言ってもまともな名前なんてそう簡単に・・・
そう思っていると窓からひとひらの花びらが手のひらに舞い込む
それは小さくて儚げでけれどもそれでいて美しい一枚の桜の花びらだった
ふと前を見てみると、俺の前にはこのはた迷惑なアンドロイド
・・・よし決めた
この花びらと同じく小さい
けれども花びらとは違いふてぶてしいほどに逞しさを感じるこのアンドロイド
その大きな違いに小さな皮肉を込めて・・・
春樹「桜」
??「さくら・・・?」
春樹「あぁ、お前の名前だよ。桜。いい名前だろ?」
??「・・・」
??「単純だな」
春樹「なっ!?」
??「どうせその手の中にある花びらを見て思いついたんだろう?まったく・・・お前にはもっと豊かな才能はないのか・・・」
このやろう・・・人が折角一生懸命考えた名前を・・・
春樹「てめえいいかげんに」
??「だが・・・」
春樹「あ?」
??「単純ではあるがお前が私の為に考えてくれた名前だ・・・大事にする、ありがたく名乗らせてもらぞ。これからよろしく、マスター」
彼女は満面の笑みでこんな事を俺にむけて言ってくる
正直こいつは卑怯だ。こんな笑顔を向けられては少々ぞんざいに扱われようが許すしかなくなってしまじゃないか
まったく・・・先が思いやられてしまう
でも不思議と嫌な気分はしない
いや、むしろ何だか嬉しささえ感じてきてしまう
不思議だ・・・どうしてこうもこれからが楽しみになってしまうんだろう
こんな気分だからか自然と笑みが、そしてこんな言葉が零れてきてしまう
春樹「・・・あぁ。よろしくな、桜」
桜「うむ」
こうして平凡な学生の俺と変わったアンドロイドの桜のわけの分からない日常が始まった・・・
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