15797人が本棚に入れています
本棚に追加
/858ページ
織田軍はその後2日掛け、昼も夜もなく鬨の声と小競り合いを仕掛けて行き、斎藤方の疲労を誘う事に全力を挙げていた。
そして城攻め開始から丸3日が経った頃、ついに稲葉山城に伝令が走った。
「美濃三人衆御援軍方!!」
この報告を受け斎藤龍興は欣喜した。
「ようやった、信長奴ぇ~これで挟撃してくれるわ・・・ただちに織田方の側面を突くよう申し付けよ」
龍興の伝令は全速力で美濃三人衆が率いる3000余りの軍勢に取りつくと、取って返して引き返してきたのであった。
「大殿、これより2刻後、お三方織田方に突撃なされるご算段にございますれば、城を出て挟撃を賜れてございまする!」
「あい分かった、もう一駆けし一徹らに申し伝えよ!」
「はっ!」
龍興は喜び勇み、これで運が良ければ信長を倒せるとまで考えてぞくぞくと身体が震えていた。
しかし伝令が二度と稲葉山城へ戻る事は無かった。彼は三人衆の陣幕で報告すると消されてしまったのであった。
最初のコメントを投稿しよう!