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善吉の号令に散開していた配下の3名は善吉を取り囲むように疾走してきた。
それを確認した善吉は攻撃に転じて一気に殲滅する作戦に切り替える事にした。
「発っ!」
善吉がそう短く言うと自ら棒手裏剣を敵目掛けて投げつけると配下達もそれに倣った。
ドスドスドズッ!
「ぎゃ」
鈍い音と共に敵方の断末魔と思わしき声が聞こえた為、善吉達は疾走を止め倒したであろう敵を検める事にした。
「どこの手の者じゃ?」
善吉の関心はそこに集中していた。配下の一人が敵の亡骸を改めようと仰向けにした。
「こ、これは?」
そこには小さな丸太で造られた人形であった。
(身代わりの術か!・・・しまった)
善吉は敵の策にハマったことを悟りこれから攻撃を受けるであろう事を直感していた。
だからといって何もせずに終わる程、忍とは諦めの言いものではない。どんな犠牲を払ってでも生き延びる超現実家である。
善吉達は敵の攻撃を予測し一斉に残りの棒手裏剣を放った。
又しても手応え有りであった。
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