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「はっ!?」
友春は二人の質問に我に返りながら一つの疑念を持った。
(あれっ?伊賀者が松平家(徳川家)の裏方を支えているのは有名じゃないのか?それだけ伊賀忍、いや服部半蔵の影働きが見事と言うことか・・・)
「あぁ、ワシの見立てでは岡崎の松平家と伊賀忍は関わりが深いと睨んでおる」
友春は差し当たり無い様にそれだけ何とか言った。
「松平ですとっ!何故・・・」
善吉が不思議そうに尋ねて来た為、友春は咄嗟に誤魔化した。
「あぁ、鉄砲の買付けで京に上がった時に色々とな・・・」
「そうであるならばこの話し繋がりまするぞ」
新吉が割って入り松平家の実情と当主:松平二郎三郎元康の今川家での人質生活での扱いの酷さを説明した。
松平元康・・・後の徳川家康、江戸幕府初代征夷大将軍となる。祖父清康の代に勢力を増すが家臣により暗殺された後、弱体化する。織田家、今川家にて人質として暮らし、桶狭間の戦いの混乱に乗じて本拠岡崎城にて旗揚げし、以後は信長の同盟者として織田軍の天下布武の一翼を担う。本能寺の変後は天下取りの有力勢力になるが豊臣家に臣従するも、秀吉没後に天下分け目の関ヶ原の戦いを周到に起しついに天下人となる。信長・秀吉と並んで戦国三英傑の一人とされる。
「さらに、元康殿は織田家での人質生活では大層大殿と親しかったと伝え聞いております」
信長はその昔、織田家の謀略によって手に入れた人質である元康(当時は幼名:竹千代)を気に入り相手をしていたのである。
それに比べ今川家での生活は今川譜代の者達からの嫌がらせの連続であり、忍耐力と同時に策謀を巡らす力が自然に養われたのであろう。
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