美濃を制す

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2刻後、稲葉山城の物見頭から報告があがった。 「申し上げます。美濃三人衆と思しき軍勢が西より駆けつけ、織田軍の陣が変わりつつありまする」 「よし、ここが勝機よ。皆の者、城を出て決戦じゃ、続けぇ~」 斎藤軍が追手門を開き、織田方に突撃すべく井ノ口の町まで進入すると突然の轟音に見舞われたのである。 四方より鉄砲の釣瓶撃ちを食らった為である。 それでも稲葉山から出た軍勢の勢いは怯む事なく織田勢に取りつこうとした時であった。 今度は稲葉・氏家・安藤、三氏の家紋が入った旗印と織田家の旗印が入り組ながら突撃してきたのである。 これには決死の覚悟の斎藤勢も度肝を抜かれ混乱を極めた。 ここで斎藤勢は散々に打ち負かされ、状況を理解した龍興は本丸へと引き返すのがやっとであったのである。 その後、美濃三人衆は長瀬友春も立ち会い、織田信長に謁見し、大いに賞され面目は十分に立ったのであった。
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