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「今日は、えらく絡んでくるじゃない。いつもは口も聞かないくせに」
「伝言があんだよ。おっさんの土産で、なんかよく分からない虫を貰ったらしい。そいつにエサやっといてくれってさ」
「虫? 私、カブトムシさえ触れないんだけど」
「貴重な虫らしいぜ。親父曰く、新種の虫だとよ。くれぐれも逃がすなよ」
叔父の土産という時点で胡散臭いと思っていたけど、大学で生物学の講師をしている父親が言うのなら本当に貴重なのだろう。
「……って、話聞いてる? 私、虫嫌いな――」
「じゃあな、行ってくるぜ」
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