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「何で着いてくるんだよ…。」
俺の後ろを郡司が一定の距離を保ちながら着いてくる。
「何でって、俺も心配だからだよ。前に屋上へ行った時…腐敗している柵があったんだ。」
「何だって!?」
俺は窓越しで屋上を見たけど意外にもここからだと死角になっていて屋上の様子が見れない。
チッ…
郡司のやつ、厄介だな。
こいつがいると朱里に何か起きたときに瞬時に動けない…。
でも、どこで朱里を見守っていたらいいんだ?
実際、屋上に誰といるかも分からないのに…。
頭を悩ませていると、
「なぁ、井川…あそこからなら屋上の様子がわかると思うよ。」
郡司の声にピタリと止まり振り返る。
すると郡司は三階の渡り廊下を指差した。
取り敢えず朱里の安否が気になっていたので郡司の言う通りそこへ向かう。
三階の渡り廊下へ来ると全体ではないけど、
屋上の手前が見渡せた。
そして朱里の姿を確認した。
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