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そのころ、母親が学校に連絡をしていた。 「冴木ですけど、松下先生をお願いします。」 電話に出たのは違う先生だった。 「今変わりますから、少しお待ちください。」 電話の向こうで松下先生が呼ばれていた。 「はい、松下です。」 「冴木大和の母ですが、いつもお世話になってます。」 と、丁寧に言った。 松下先生は、怠そうに 「どうされました?今からホームルームがあるので手短に。」 そう言うと母親は少し松下先生の対応に不信感を持ちながら言った。 「今日ヤマトは、体調が悪いので欠席させて頂きます。」 すると、松下先生は、 「分かりました、御大事に。」 と言って電話を切った。 本当は少し学校での様子など聞きたかったが、聞けなかった。 やがて、ヤマトが風呂場から出てきて急いで階段を上がる音が聞こえた。
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